読書メモ:伊坂幸太郎

更新日:2023年12月31日
カテゴリー:読書 


オーデュボンの祈り

会社を辞め、再就職もせずにいる伊藤はコンビニ強盗をしでかす。 すぐ警察に捕まるが、パトカーから逃げ出した伊藤は気が付くと荻島にいた。 仙台の先の牡鹿半島のずっと南にある、数千人が住む小さな島。 150年くらい外部と遮断し、誰からも知られていない孤立した島。 そこには未来を知っているカカシや殺人が許されている桜という男、嘘しか言わない元画家の園山など変わった島民が暮らしている。 伊藤が島に来た次の日、カカシが殺された。 なぜカカシは殺されたのか? カカシは自分が殺されることを知らなかったのか? そして、殺人が続いていく。 (2023年12月31日)

グラスホッパー

元教師の鈴木が、非合法な仕事で儲けていいる会社フロイラインの契約社員になったのは、妻を轢き殺した社長の馬鹿息子に復讐するためだ。 しかし、鈴木の目の前で、馬鹿息子は赤信号で車道に飛び出し、轢死した。 鈴木は、馬鹿息子を殺した「押し屋」を追跡する

一方、自殺専門の殺し屋「鯨」とナイフ使いの若い殺し屋「蝉」もそれぞれの理由で押し屋を追う。 最後に生き残るのは誰か? (2022年10月10日)

ゴールデンスランバー

舞台は著者の住む仙台市。 首相に選ばれた同市出身の若き政治家の凱旋パレード。 そこに爆弾を積んだラジコンヘリが突っ込み、首相夫妻は爆死した。 その犯人にされたのは元配達ドライバーの青柳雅春(あおやぎ まさはる)。 学生時代の友人や知人も巻き込んだ、青柳の逃避行が始まる。 (2023年11月18日)

マリアビートル

グラスホッパーの続編。 グラスホッパーでの中心人物だった元教師の鈴木と押し屋の槿(あさがお)も登場する。

今回の舞台は東北新幹線の車内。 そこに居合わせたのは、危ない仕事をしているが不運続きの天道虫こと七尾(ななお)、昔危ない仕事をしていたアル中の木村雄一、木村の子供をビルから落とした中学生の王子慧(おうじさとし)、殺し屋コンビの蜜柑と檸檬、塾講師の鈴木、毒を使う殺し屋のスズメバチなど。

裏世界で恐れられている峯岸の依頼で、彼の息子と大金の入ったトランクを東京から盛岡まで運ぶ蜜柑と檸檬。 天道虫は、運んでいるのが業界で凄腕の蜜柑と檸檬とは知らずに、トランクを奪う依頼を受けた。 そのトランクを介して、王子や木村も関わってくる。 さらに、個性豊かな登場人物が加わり、話は複雑さを増す。

ちなみに、先日公開されたハリウッド映画のブレット・トレインの原作。 (2022年12月6日)