読書メモ:橋本長道

更新日:2022年10月29日
カテゴリー:読書 


覇王の譜

将棋の棋士の世界を描いた重厚な作品。

主人公は25歳の直江大(なおえだい)棋士。 幼少期にその才能を見せ始め、プロ棋士養成機関である奨励会で順調に実力をつけてきたが、現在は名人位につながる順位戦の最下級クラスのC級2組に長年甘んじている。 直江のまわりには、奨励会同期の剛力英明(ごうりきひであき)、師匠の師村柊一郎(しむらしゅういちろう)、京都の天才少年と呼ばれる小学5年生の高遠拓未(たかとうたくみ)、トップ女流棋士の江籠紗香(えごさやか)などの個性的な人間たちがおり、その人たちと関わりながら直江は成長、そして覚醒していく。

将棋はルールを知っている程度だが、ディープな世界をさりげなく分かりやすく描写してくれるので、違和感なく物語に没入できる。 じっくり読みたい良作だった。 (2022年10月29日)